ハウ・トゥ・アクアリウム

当店の経営理念について

2010年2月1日

とは申しましたところでそんなにお堅いものでもなく、
興味のある方にだけコッソリと読んでいただければと思います。
お堅くはなくても結構真剣です。

当店は、

どうすればお客様に上手くお魚を飼育していただけるか?
どうすればお客様に上手く水草を栽培していただけるか?
だけを考えて営業しております。

あとは店主の興味のあるものやジャンルをお客様に知っていただき、
また実際に店舗やウェブで目にすることによって、
お客様自身の趣味をより深く楽しめるものにしていただければと望みます。

昨今では生体でも「あちらが安い」「こちらが高い」とまるで家電のような無益且つ無意味な価格競争が繰り広げられています。
市場が膨大な家電製品や食料品とは異なり、この趣味の世界の市場は小さなものです。
そこで価格をつけられて販売されるものは他でもないイキモノです。

価格競争になってしまった現在では入荷直後の生体を安易に販売したり、
病気の生体をトリートメント無しに販売したりする販売店が多数実在しております。
当店はこのような現状を恥ずべきものだと考え、またお客様のためにも芳しくないと認識おります。
ドイツやイギリスなど先進国では、価格で選ぶような趣味家はほとんど存在しません。
犬や猫に至っては展示販売が禁止されていたり、生体の命を軽視するようなことは絶対にあり得ないのですが、残念なことに日本ではまだまだ価格に踊らされる「消費者」が大半なのが実情です。
生体は「消耗品」ではありません。

当店では入荷後店主が「販売可能」と判断するまで販売を原則的(お客様の希望があれば販売は可能)に行っておりません。
新規導入した生体が既存の生体に病気等をばら撒くケースも多々あり、決して看過できるものではないからです。
ご希望の生体が入荷している場合は無償にて1週間のお取り置き期間を設けさせていただいておりますので、その期間中に店内にて生体のトリートメントを行います。

その分、販売価格は他店よりも割高になるケースもございます。
生体の販売価格を気になさる方は是非お近くの安売り店にてお買い求めくださいませ。
器具に関しましてはどこで購入されても性能は同じですので家電同様販売価格で選ばれても良いと考えております。
ただしトラブルに見舞われた際は、購入された販売店で解決してください。
当店は都合の良いときだけの便利屋ではございませんので悪しからずご了承くださいませ。



初心者のお客様や、これから始められるお客様につきましては、
最初に設備や世話方法等について無料にてカウセリングさせていただきます。
どのような水槽やインテリアグリーンをどれだけの予算で仕立てたいのか?
カウセリング時にご希望をお聞かせいただき、ご希望に沿った飼育器具や管理方法等を店主とお客様で考えてシステムを組んで行きます。
時間はジックリ掛けても良いのではないかと思います。

実を申しますと、
量販やホームセンター等で販売されいるような飼育セットは使えない商品が多数含まれており、
ご希望された内容を再現できないことが多々ございます。
器具もメーカーや機種等により、性能の差は非常に大きく、
どのメーカーのどの機種がどの使用目的に対して優れているのか?
を知らなければ大きな失敗の原因となります。

何故こんなことを言えるのか?それはそういった商品を扱う気が無いからです。
そして営利が第一目的の店ではないからです。
商売っ気無いと言われればそれまでですが、店主はお客様の失敗を利用したような商売で利益を上げたいとは思いません。
だって気まずいし気持ち悪いですもん・・・それならば店主が食べて行けるだけ、
ささやかに生体でも販売していた方が気が楽だからです。
ヘタレな理由で申し訳ないのですが、店が存続できればそれで良いと考えています。

以前、働かせていただいた店では上に挙げたようなダメ商品もたくさん販売してしまいました。
その後、店主自ら使用してみたり、店で使ってみたり、
そういった経緯もあり、営利第一主義が嫌になって弱小ながらも独立に至ったわけですから、今更ダメ商品を販売する気は更々ありません。
ご安心くださいませ。

そんなわけで当店で趣味を始められるお客様に関しましては、
店主の知識と経験をフルに生かしてサポートさせていただきます。



そして、矛盾するようですが、失敗をして覚えていただくことも当店は推奨しております。
「何でや!」とツッコまれそうですが、失敗こそ宝だと認識しております。
飼育・栽培が上手い趣味家はそこに到達するのに多数の犠牲を出して技術を習得しています。

失敗したくない!といった考え方は非常に共感でき、一見素晴らしく思えるのですが、
失敗なき進歩などあり得ません。
それは誤魔化しであったり、何かを犠牲にしたものであったりと結構悲惨なものだと思います。

「お魚を死なないように大切に飼育すること」はとても大切なのですが、
「お魚を死なせないで飼育すること」は不可能です。
同様に藻類(俗に言うコケ)が生えない水槽もただの「危険な水槽」でしかありません。
何故だか解りますか?

お魚が死ぬのには理由があります。
「何故死んだのか?」を考え、改善することは非常に重要なのです。
病気のお魚を飼ってきてしまったのであれば、販売店をきちんとした店に変えたり、
アンモニア等の数値が高いのであれば、各数値を測定した上でろ過設備をきちんと整えたり、
対処方法は失敗の原因や種類によっても変わってきます。

藻類に関しても、生える種類により原因と対処法は異なります。
何故生えてくるのか?そもそも藻類は本当に生えてはダメなのか?を考えて覚えて行ったり、
どれも経験することでしか得られない大切な失敗であり、それを糧に身につくのが技術です。
本に書いてあることが本当だと思ったら大間違いです。
失敗したら店主と一緒に考えて対処して行きましょう。

基本的にGreen Noteでも水槽はセット時から可能な限り状態を誤魔化さないように管理しています。
うわべだけピカピカでも中身が伴わなければ無意味です。
偉そうに書籍に色々と書き垂れていても、店に行ったら油膜ベットベトの店だってたくさんあります。

Green Noteの水槽に藻類が生えていたら、生えている原因を店主に聞いてみてください。
水草やグリーンインテリアの状態が芳しくなかったら理由を聞いてみてください。
そこからもきっと何か学び取れるでしょう。

店主たちに出来るのは、大きく外れ過ぎてしまわないようにガイドすることぐらいなのです。
「そして病気の生体を持ち込む」等の外的要因を可能な限り排除することで、
お客様自身の原因も見えてくると思います。
それは設備だったり管理方法だったり時間経過だったりするわけですが、
それらの原因を少しずつ排除し、改善して行くことで管理技術が身に付くわけです。
何でもかんでも一朝一夕で身に付くわけではありません。
魔法の呪文はないんです。
素敵な水槽の裏側にはそれ相応の経験と技術が詰まっています。
同じ趣味やるなら、とことん素敵な光景を目指して欲しいなーと店主は願っています。

長くなりましたが経営理念というよりは、Green Noteのスタンスと捉えていただければ幸いです。

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